「告白」~湊かなえ著~抑圧された母と息子の異形
たまーに面白かった本のことをとりあげるのですが
「告白」
面白かった・・・
露悪的といえば露悪的だけど
人の悪意を覗くことで得られるいやらしい快感があるのは否定できません。
文学としての質には多少疑問も感じるのですけど
読み始めたらもー止まりません。
私は夜の10時頃から読み始め、けっきょく朝の4時まで読み続け
朝焼けとともに不快な衝撃で言葉をなくし、
頭が冴え渡り、
ますます眠れなくなってしまったのです。
この小説にはさまざまなタイプの母親が登場します。
また、母たちと息子たちの抑圧された感情の様相も浮かび上がります。
でも、読み終わると「息子たち」のほうはシェイクスピアのマクベスの科白を借りればまさに「女の股の間から生まれた男」に過ぎないといいますか(^^;)
母や母の記憶から逃れられない徹底して哀れな存在であるような。
愛されない子は愛の幻想にしがみつく。
親を無条件に慕う子供にとって母は、慈母にもなればモンスターにもなってしまう。
モンスターなのに、モンスターという自覚は微塵もなく「子供への愛」「母性愛」という美名のもと、それは一歩間違えると絶対的な根拠となって母性を暴走させるのでしょう。
そこにまたひとり、我が子を殺された母性による復讐という大義名分が加わったらどうなるか
少年犯罪の被害者となった人たちの憤りややるせなさはそのとおりだと思うのですが
その復讐が・・・・あまりにも残酷。
それも母性のなせる業。
著者は脚本も書かれるそうです。
脚本を書く人は基本的にサービス精神旺盛、
「あああっ!」と驚かせ、娯楽性も豊かで、そこそこ人間の本質も突いてくるテクニックをにくいほど持ってる場合が多いと思うのです。
著者もまさにそのタイプの作家ではないでしょうか?
有無を言わせず引き込んでしまいます。
でもまだこの作者を手放しで受け入れられない慎重な自分がいたりして。。。(面白かったのに、なんて可愛くない読者でしょう^^;)
次回作でどう出るか期待しつつ注目しています。
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コメント
これ、今読んでるところです。
なので、読後また来ますね。
投稿: 金魚ふーちゃん。 | 2009年6月 8日 (月) 14時16分
今、評判ですよね。週刊ブックレビューで
批評されてた時から気になってました。
読もうかどうか思案中です。
投稿: ながこ | 2009年6月 8日 (月) 22時33分
金魚ふーちゃんさんの感想も楽しみにしてますね~。
投稿: betty | 2009年6月 8日 (月) 22時39分
ながこさん
好き嫌いが別れるタイプの本かもしれませんけど、面白いことは面白いです。
途中でやめれなくなるほど。
投稿: betty | 2009年6月 8日 (月) 22時55分
活字中毒なのでついついお邪魔してしまいました

母親の視点から読むと余計に辛い内容ですよね。モンスターになるように育てている母親なんていないですから…。
悪意は連鎖するし、人に向けた悪意は自分を蝕んでしまうはず。それが分かっていても、どうにもならないのがまた人間の怖さです。
個人的には、自分の悪意を正義と思い込んでいる2章の熱血先生が、実は一番やっかいな存在かなと思いました。
湊かなえさんの新刊『贖罪』は、まさに今週末発売です。よかったら是非読んで下さい
投稿: ぴの | 2009年6月 9日 (火) 23時28分
このブログを読んで、さっそく購入して、
今読み終えました。
本当に読むのがやめられなくなる本でした。
でも、感想を書くのは私には難しい
自分の娘が、思春期に心の病になるとは
想像してなく、数年前まで、怒涛のような
生活を送っていましたから。
今こうやって、ダニエルの映画を
楽しんだり、花をみて綺麗だと
思える自分が数年前は想像できなかった。
子供の再生の力を信じること、必ず
トンネルをぬけると信じて生きていく
ことしかなかったです。
本の感想でなくてすみません
今日、「ディファイアンス」見に行きます。
香川、上映遅すぎですー
投稿: アリス | 2009年6月10日 (水) 08時40分
ぴのさん
新刊の情報ありがとうございます!
最近忙しくてぜんぜん本のチェックできてないので知りませんでした。
すごく楽しみです。
早く読みたいです。
人は複雑な存在ですよね。
だから「反省」や「後悔」の念も生まれると思うのでそれは大切な人間のエッセンスだと思うんです。
それにたいして「単純」というのは一歩間違うと「ファッショ」にも通じてしまいますよね。
恐ろしいのはそっちのほう、
あの善人先生。。。あれはコワイですよねえ。
投稿: betty | 2009年6月10日 (水) 13時12分
アリスさん
子供を育てるってほんとたいへんなことですよねえ。
一筋縄ではいきませんよね。
私は思春期になった息子の反抗期と付き合うのが、自分の器が小さかったのでしょうねえ、どんどん距離感が混乱して口うるさくなってしまって。。。ドツボに入りそうになったことがありました。
数年間はそんな状態でした(^^;)
でもそんな難しい時期を過ぎて、今は息子に対する距離感もいい感じで、たまに会えばしゃべるのが楽しくて穏やかでとてもよい関係になってます。
子育てって、小さいころはかわいいかわいいで楽しいけど、すこし大きくなってくると精神的な格闘だなあって思いました。
忍耐弱かった私も、思春期の子供と向き合って悩んで転んで、とっても忍耐強くなりました(笑)
時には何年も「見守って信じて待つ」ですものね。忍耐もつくわ~(^^)
「ディファイアンス」いいなあ。
もう一回観たいです
「007」とはぜんぜん違うダニエルの魅力、深くて・・・あ~ん、なんて素敵でしょう。
かっこいい役じゃないほうがダニエルってどうしようもないほど魅力的に見えます。
(ボンドも素敵ですけど^^)
感想教えいただけたらうれしいです。
投稿: betty | 2009年6月10日 (水) 13時35分
bettyさん。本当に子供との距離感は
難しいです。だけど、だんだんうまい具合に
とれるようになってくるかなあ、て思っています
ディファイアンス、よかったですー。
史実に基づいているけど、ちゃんと
エンターテイメント的にも仕上がって
いるので、アクションものとしても楽しめ
ました。
ダニエルはトム フォードのスーツを
着ていなくても、素敵です
苦悩するリーダーの役は彼には
ぴったりでした。
弟役のジェイミーがリトルダンサーの
少年だなんて、感激でした。
彼が成長していく姿もよかったですね
いい映画なので、みんなに見てもらい
たいです。
後、本の感想、私としては、娘を

殺害された、女教師の復讐心が
一番怖かったかなあ
幼子を殺されたら、心が氷のように
なってしまうかもしれませんね
投稿: アリス | 2009年6月10日 (水) 22時04分
「告白」
新人さんの作品とは思えないほどの力作で読み応えたっぷりの小説でした。
構成がすごく上手くてそれぞれの気持ちがよくわかるように描かれていて引き込まれました。
第一章はすごかったですね!
ラストは後味が少し悪かったですけど(-_-
たまには娘に見習って本を読まないと・・・
子育てが楽になってきたので色んな事を見たい聞きたいそんな毎日です。
投稿: ハナマル | 2009年6月11日 (木) 07時06分
アリスさん
「ディファイアンス」のダニエルの苦悩、いいですよねえ。
ものすごいハマリ役ですばらしかったです。
この映画、アリスさんおっしゃるように、娯楽作品としての仕上がりもいいですよね。
それでいて史実をおさえて感動作としてみごたえありますし。
ダニエル、いい作品にでてくれましたねえ(^^)
「慰めの報酬」の監督が雑誌の中で、「ダニエル・クレイグのボンドだから演出引き受けた。これがダニエル以前のボンド役者だったらことわってたよ」と言ってたんですけど、
それぐらいダニエルは演技の内面的な魅力で玄人受けする俳優なんでしょうねえ。
いやいや、ダニエルがボンドじゃなかったら私が「007」を劇場でみなければと心待ちにするようになるなんてあり得なかったですもの。
劇場でみてさらにDVDも買うんですから、
どんだけ~ですよ(笑)
ジェイミー・ベルも成長してましたよね~
渋い役者になってくれるのかなと思いました。
>幼子を殺されたら、心が氷のように
なってしまうかもしれませんね
氷のようになります!14歳以下の犯人は少年法の限界もあり、被害者側にとっては自分でやらない限りほんとうの罰をくだせない、というか・・。でもそうやっても気持ちは一生晴れることはないでしょうし・・・
読後もいまだにひきずってます(^^;)
投稿: betty | 2009年6月12日 (金) 11時59分
ハナマルさん
ひとりひとりの告白仕立てで一章を短くしているところが若い人にもいっきに読ませるテクニックというか、
それでいてこなれていて、うまいですよねえ。
第一章で、「なにこの女教師、何言ってるの?!」って思わせながらすごい告白を淡々とやっちゃう。
しかしあれをどう展開していくのかと思ったら二章以降で、ひとりの人間の多面性を浮かび上がらせていく。
ほんと~おもしろかったです。
飽きることなく読めて、「本屋大賞」に選出された作品って「ビンゴ」の確率高いですよね~。
投稿: betty | 2009年6月12日 (金) 12時07分
2月の日記にコメントしたのですが、
ダニエルの「「flashbacks of a fool」
がDVDになってレンタル屋さんに
ならんでいました。
さっそくレンタルして見ました。
また、bettyさん、フラッシュバックの
日記お願いします
投稿: アリス | 2009年6月15日 (月) 08時37分