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2009年6月21日 (日)

剱岳 点の記~映像美と実直な演技!裏方さん役者さん、尊敬いたします

「剱岳 点の記」

初日、夕方6時10分の回、観てきました。

土曜の夕飯時のわりにはお客さんの入りもよく

何よりも驚いたことは

2時間20分の長尺、本編終わりエンドクレジットが延々と流れても

お客さん誰1人席を立たなかったことです。

場内明るくなるまでみんなじっと座って画面を見つめてました。

というのはやはり、命がけで撮ってきた剱岳の映像に吸い寄せられてしまったからでしょうね。

かくいう私も素晴らしい映像に息をのんで見入ってしまいました。

剣岳に登ると雲の絨毯のむこうに富士山の山頂が見えるんですね~

知りませんでした。

山登りをしない私は一生拝むことのできない光景です。

そんな光景が詰まっている。

映画でなければ観ることのできない世界です。

しかもその映像は、サスペンスやアクションのためのものではない。

明治に日本地図を作るため、その仕事を実直に黙々とこなしていく男たちをただ静かに浮かび上がらせるための映像です。

なんて地味な、でもなんて贅沢なことでしょう。

そして、ただその時代に確かにいたであろう人となって黙々と演じる俳優たち。

浅野忠信さんと香川照之さんはやはりうまかった!

いや、おふたりとも上手い下手は超越してます。

明治の測量技官そのものでしかない浅野忠信(柴崎)と

山しか知らない無学の田舎ものでしかない香川照之(長次郎)です。

ふたりともほんとっ、ものすごい俳優です。

活動屋のこだわりに、映画バカの夢に、徹底的につきあうというその姿勢がそもそも二人こそ「映画バカ」なんだって思えてきます。

いえいえ、この映画に関わった方皆様の苦労のおかげでこんなすごい映像が観られます。

今時、CGなしの手作りの職人技です。

それをゆったりシートにもたれかかってのんびり見られるなんて・・・すごいことだと思います。

苦をともにしながらついに剱岳の頂に立つというとき

二人がその最初の登頂者になることを譲り合うシーンがあります。

二人の人柄が滲み出る素晴らしいシーンでした。

「やったー!」と興奮するでなく、「ついに上ったな」と涙を流すでなく、

二人は初登頂を譲り合うんですね

「山頂はすぐです。私はここで待ってます、上ってください」

「何言ってるんです、長次郎さん、私はあなたがいなかったらここまでこれなかった。最後まで案内してください」

「いえいえ」

「いえいえ、あなたはもうわたしたちの仲間だ」

「いえいえい」

「いやいや」

みたいな感じです(^^)

日本人の謙譲の美学が滲み出てます。

ところがその登頂を認めないと言い出す日本陸軍。

その悔しさをうちにひめてさらに黙々と淡々と測量をすすめていく男たち。

地図を作るための三角点をたてるために。

そのときに、初登頂を先にいただくと言っていた山岳会がのぼってきて

別の頂で測量の仕事を粛々とこなしている芝崎たちに手旗信号を振って

登頂の祝福を送るんです。

そこのシーンも抑えに抑え、露わな感情表現はいっさいなし。

日本人ですなあ~~~~~

素晴らしく抑制され、身の内から時代の空気、人となりを漂わせてしまう浅野さんと香川さん、なにかのインタビューでは「二人でこんどは刑事ものを」と冗談を言ってましたが

冗談ではなく、ほんとうにほんと、二人でがらっと違う映画を、二人芝居のような映画を観てみたいと思います。

浅野さんと香川さんならたとえば、浅野さんの「Helpless」「FOCUS」のような映画、

香川さんの「キサラギ」のような映画を、二人っきりでやったらものすごい映画ができそうな気がします。

あ、「剱岳 点の記」

あの圧巻の映像、CGなしの本物の力、大画面ですくなくとももう一回は拝みたいと思います。

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コメント

CG・空撮なしで剱の撮影とは、剱という山を知っている人であれば、無謀と思うでしょう。
冬山で富士山を拝めるなんて、どんだけ運がいいんでしょうか。逆にたいへんな撮影だったのでしょう。
夏しか登ったことはありませんが、足が遅く剣の山頂に辿り着いたときにはもうガスの中。
剱という山に魅せられたことがある人間なら、是非とも見たい映画です。

投稿: gonne | 2009年6月21日 (日) 15時47分

gonneさん
剣岳の山頂に登ったことがあったんですね!
すごい!!!
私なんて山はぜんぜんだめですよ。
でも登っていったさきには想像をこえる風景と、達成感があるんですよね
そのうち山登りをすこしづつやってみたいです。

この映画、未踏であった剣岳に地図をつくるためにだけ登る男の話なんです。
前人未到の山を征服して名を成してやろうなんて私欲はいっさいありません。
そこにものすごく感じ入ってしまいました。

当時、どこから頂に上がっていくかのルートもない。そのルートを試行錯誤しながら開いていくんです。
しかもその装備が、足袋とわらじ(@@)
それで切り立ったがけを登ったり、雪渓を登っていくんですも。
びっくり。
私利私欲いっさいなし。
地図作りの仕事を彼らは黙々とこなしていく。

撮影は2年がかり、順撮りで、役者さんあっちも撮影の機材を背負って9時間かけてのぼってそこでワンシーン撮影して翌日下りてきて、別なシーンの撮影。。。ということを延々くりかえし、
当時の人の、今とはまったく異なる苦労を追体験しながらの撮影という宣伝に
いっさいの嘘はないようです。
画面をみたらそれが読み取れます。

地味に山と向き合う映画ですので、山に興味のある方なら観てソンなないと思います。

単純な起伏やドラマチックな展開を期待するむきにはいまひとつかもしれませんが
私は大満足でした。

北見のシネコンまで足を伸ばしますか~?

投稿: betty | 2009年6月21日 (日) 16時21分

やっぱりこちらに特集されていました。

「山と渓谷」
ずいぶんお世話になった雑誌です。
映画館に山男・・・出没すると思いますよ。
http://www.yamakei.co.jp/products/detail.php?id=900889

私利私欲に関係なく、ただ頂きを目指す。
そこが、「山を征服する」ではない、日本の自然に対する向き合い方なのですよね。

投稿: | 2009年6月21日 (日) 19時08分

「山と渓谷」
よんだことも手に取ったこともありませんけど、6月号、探してみます。
ぜひ読みたいです。
教えてくださってありがとうございます。

映画は後々、感慨が深まり、やはりとっても良い映画だったと思います。

投稿: betty | 2009年6月22日 (月) 00時54分

実は本日、結婚記念日にて夫が半日ほど休暇を取ったので、
bettyさんのブログをみて朝一番で見てきました~。
(ハゲタカとどちらにするか迷ったんですけど)

bettyさんのブログ以外には事前情報も持たないまま
見たのですが、ただただその自然のすごさ、明治の男たちと
それを支える女たちの強さに、我が身を振り返り、
夫婦とはなんぞやということにも、深く思い入りました。

今までみた、どの映画とも一味違う、静かで深い感動がありました。ほんっとによかったです!

立山は、スキーの合宿で学生時代にはよく行きました。
室堂から雄山にはスキーで登り、スキーで下ってくるのです。
6月の滑り納めの合宿ですが、それでも天候が急変すると大変な猛吹雪です。
大迫力の映像と音声を聞き、吹き付けるざらめ雪を思い出して、こちらまで顔が痛くなってきちゃいました。(^^;)

途中、昔読んだ「八甲田山 死の彷徨」を思い出しましたが、
なんと原作は新田次郎だったんですね。
(恥かしながらエンドロールを見るまで知りませんでした)

それにしても男優たちがかっこいい。素敵です。
仲村トオルさん、以前近所の商店街でご家族でいらっしゃるところをお見かけしました。
ふつうすぎるくらいふつうのお洋服でしたけど、めっちゃかっこよかったんですよ。

投稿: ゆかべぇ | 2009年6月22日 (月) 23時43分

ゆかべぇさん

わ~、結婚記念日おめでとうございます!!!heart04

旦那様が半日だけ休暇をとるなんて、すっごい多忙にもかかわらず記念日のために都合つけて数時間お休みとったという気持ちがすごい感じられますね!

静かな映画だけどいいですよねえ~。
ゆかべぇさんは立山でスキーをしていたのですね!
吹雪のシーンはすごかったですよねえ。
CGとはまったくちがう真実味が素晴らしくて。
仲村トオルさん、観たことがあるんですねえ。
山岳会の装備と、柴崎や長次郎の装備の違いに愕然としたんですよ(^^;)
実際に仲村トオルが演じた人物が日本の山岳会創設の人だということですけど、きっととてもヨーロッパ風な先取の精神の持ち主でモダンな人だったんでしょうね。
それとは対照的な
明治の中流のインテリの地味で真面目で寡黙な雰囲気の柴崎、
学はなくとも信念をもち分をわきまえ、山とともに生きる長次郎。。。
男達がそれぞれの生き様を自然に醸し出していましたよね。
長次郎の妻も、柴崎の妻も、短い出番のなかでもしっかりとそれぞれの世界を体現していましたし。

この映画の撮影中にベテランの有名な音響さんが落石事故でヘリで救急搬送されたけど意識不明というアクシデントがあって、すごく心配したんですが、何ヶ月かして現場復帰したと聞いてほっとしたんです。

映画観ると、落石も納得の、すごい岩壁でした。

ゆかべぇさん
「ハゲタカ」も男のかっこよさではすごいですよ~。男達みんな味があっていいんですけど、玉山鉄二はとくにヤバいぐらに美しかったです(^^)
なんとなくジョンローン風、ていってもゆかべぇさん世代にはジョンローンて関係なかったかな。。
下の息子は昨日観てきて「面白かった~!」と言ってました。

投稿: betty | 2009年6月23日 (火) 00時28分

邦画も行きたいとは思いながらついつい
洋画のほうに走ってしまう私です(苦笑)
一昨日、“愛を読むひと”行ってきました。
原作の“朗読者”も本当に素晴らしい小説で
涙、涙でしたが映画もすごい出来でした。やはり涙が!オススメですよ~。
今、見たい映画がいっぱいで困ります。

投稿: ながこ | 2009年6月25日 (木) 23時15分

本日、映画の日にやっと行って来ました。
本当に素晴らしい映画ですね。定価でも損することなく大満足で観れると思います…笑
トレーラーで撮影風景も出てましたよね。CGなしの撮影。木村大作監督はて「やんでぇ~」なイメージでしたが、初日に涙されてて本当にスタッフさん、キャストの皆さんお疲れ様でした!の思いです。映画が終わった時に拍手してしまいました。(恥ずかしいので小さく)エンドロールの「仲間たち」ってのもジーンときました。

投稿: 吾唯足知 | 2009年7月 1日 (水) 22時54分

ながこさん

「愛を読む人」、なかなか評判高いみたいですね。
いつも一緒に映画を見る友人が観たいと行ってたので来週あたり観にいくかもしれません。
楽しみです。
私は昨日「それでも恋するバルセロナ」を観てきました。
「マッチポイント」で「フツーに面白い作家」になったのかなと思っていたウッディー・アレンですが、以前の傾向に戻っていてそれも絶好調そうで。。。その結果私にはいまいちでした(爆)
 それにしてもペネロペ・クルスとバビエル・バルデムのド激しい関係はまさにスペイン人のそれなんでしょうか~(笑)

投稿: betty | 2009年7月 2日 (木) 00時58分

吾唯足知さん

私も最後に拍手したかったですよ~、でも勇気がなくてできませんでした。
あの映像、素晴らしいですよね。
監督、めちゃくちゃ口が悪いですけど、あれだけの撮影をできる人は滅多にいないでしょうから、どんなに口が悪くても許しちゃいますよ~(笑)
二世俳優さん達もみんな味があってそういうてんでも見応えありました。
映画を観てからもっといろいろ知りたくて最近、アマゾンで「オフィシャルブック」を買ってしまいました。


投稿: betty | 2009年7月 2日 (木) 01時05分

ついに見てきましたよ~。地味だけどずっと
心に残る名作だと思います。私も山はほとんど行ったことなく(学校の遠足くらい)大変さはわからなくとも彼らの心意気に拍手を
おくりたいです。けっこう山好きの夫と見ました。
“それでも恋するバルセロナ”今週行きたいです。けど今日はTSUTAYAで"レボルーショナリーロード”を借りてしまいました(爆)

投稿: ながこ | 2009年7月 4日 (土) 23時24分

ながこさん

「剣岳」よかったですか~、よかった☆(^^)
ご主人はけっこう山が好きなのですね。

私も最近、山登りとまではいかなくても、自然の中のトレッキングに興味がわいてきてます。歩きながら花や鳥を観察するのってとっても素敵ですよね~。
ついでに絵心があればさらさらと絵手紙を描くことができたらどんなにいいかしらと思ってます。が、私、ぜんぜん絵心がないので無理ですけど。

「それでも恋するバルセロナ」、また昔のウッディーアレンに戻っていて、昔のアレンが好きな人はものすごく評価高くなりそうです。
でも、私は前々作と前作の娯楽性豊かな「マッチポイント」とか「タロットカード殺人事件」がのんきに観れて好きだったので、「恋するバルセロナ」はちょっと苦痛でした(苦笑)
出演者の口にチャックしたくなりました(爆)

投稿: betty | 2009年7月 9日 (木) 10時42分

bettyさん
こんにちは!
随分ご無沙汰です。
数年前まで、槍岳や北岳などの3000メートル級の山を登っておりました。剱岳は、登ったことがありませんが、かなり難度の高い山です。そんな山でのロケに200日かけて木村組撮影隊は凄さには驚きです。またその行程の詳細を知ったときは更にびっくり!!
山の天気は非常にめまぐるしいので、皆さん大変だったと思います。苛酷な撮影をこなさされたことに、敬意を表したいとつくづく思います。

投稿: mezzotint | 2009年7月14日 (火) 08時41分

mezzotintさん

おひさしぶりです~♪
この撮影、どれだけたいへんだったか、画面からもじゅうぶん伝わってきますよね。
私も撮影秘話を聞くのが興味深くて、ネット上でいろいろチェックして聞き入ってしまいましたよ。
ほんとうに圧巻の映像でしたねえ。

投稿: betty | 2009年7月14日 (火) 11時38分

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受信: 2009年7月14日 (火) 08時21分

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