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2007年5月 2日 (水)

ゲルマニウムの夜~ギリで屹立した世界

Big_3 変態的で、冒涜的で、危ない危ない。

ゲルマニウムという硬質な言葉が紡ぎ出したのは、人の弱さ、価値観の脆さ、今ここに在ると信じている世界への根本的な疑念。

強烈な風刺と毒がまわってきます。だけど静謐。

宗教による精神の縛りと快楽、支配と隷属、諦観と酩酊・・・すごく観念的なものをフェティッシュに見せる。

花村萬月の原作は芥川賞ですがそちらは未読。

ですから原作はおいといて、ひとつの映画作品としてどう見たかということに尽きるのですが。

面白かった~~。

これ、日本だからいいけどキリスト教圏の国で作ったらかなりな騒ぎになるんじゃないかしらね?危ないですよ。

その危なさが観る者にとって快感となる映画でしょうか。

教会、キリスト教、修道士さん、尼僧に少年までもが、えらいこっちゃ。

冒頭、黒い重量感のある牛が雪のなかをやってくる。その迫力。

51k2kxcz0ql_1 それらを包む広大な冬の自然。カメラに力あり。

続いて暗い部屋の中。ぼさぼさ頭の若者と神父が並んで座っている。

神父はラテン語の聖書を読み上げている。

若者は顔色を消し去った無表情、よくみるとその手が神父の股間のほうに伸びている。

たんたんと進むがモノクロのように押さえた色調が深く、独特な世界観に引きずり込まれる。

げげげーときたのが痰フェチの変態。

主人公ロウの痰をなめさせてという。

ロウは教会で育ち、一度外に出てそこで犯罪を犯しまた戻ってきた。

奉仕活動をしながら自分の世界を築こうとしている。

そのひとつがゲルマニウムラジオの世界。そこから聞こえてくるものは神の囁きだと言う。

教会という閉鎖空間だからこそ、ロウのような人間が神に取って代わることもありうる。

修道僧、尼僧、神父たちの禁欲がロウの手によって暴力的にこじ開けられるとき、盲目的に支配されてた者はいとも簡単にほかの支配に身をゆだねてしまうのじゃないかしら。

神父の慰み者になっていた美少年が最後にロウの下半身にひざまずく。

ロウによって孕まされた尼僧がそれを見ている。

この小さなコミュニティーのなかで治めていたキリスト教会にかわってロウの世界観が宗教になる瞬間をこのシーンが、変態チックではあるけれどよく表現されていたんじゃないかなと思う。

変態映画になる手前で不思議な風格をたたえた映画。

観念的なものは文章で伝えたほうが想像力をかき立てるに違いないけど、映像で観念をいかに生々しく見せることができるかというのも面白い。

そのてんでこの原作は未読だけど、『花村萬月の芥川賞作品』の映画化としてギリギリのところで屹立し得た希有な映画といえるんじゃないかしら。

ロウ役の新井浩文、新境地を見せてくれます。石橋蓮、佐藤慶、広田レオナ等の個性がそれそれに見事なはまり役ですね。安定感抜群の優秀な演技陣がこの一風変わった世界を支えてます。

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コメント

bettyさ~ん、いやいやいや~すっごい映画を見つけて
きましたねぇ。
私はこの小説の表紙だけは見た事があります。
表紙の絵にビビッて、本を手に取れませんでした(笑)

本の表紙は不気味だけど、なかなか面白そうなお話ですネ!
しかも、映画まであるとは・・・。
この映画、レンタル屋さんにあるのかしら?
ぜひ観てみたいです。v( ̄ー ̄)v

投稿: ちゃろ | 2007年5月 7日 (月) 16時56分

ちゃろちゃん

レンタル屋さんにありましたわ。うちのダンナさんはいっしょに見てて、男色シーンが苦手なのでゲロゲロしてたけど(そのわりに最後までしっかり観てたけど、笑)、私はこれ嫌いじゃないですよ。
痰フェチだけはきもちわりいですが。
神父が犬のお股に顔を埋め。。。(とっととと)という変態シーンも石橋さんがやるとノーマルっぽいし、て、そんなことはないですか(爆)

投稿: betty | 2007年5月 7日 (月) 20時53分

ううう・・・レンタル屋さんへ行ってきましたが、見つける事ができませんでした。
この映画って、ジャンルは何なのでしょうかぁ?

bettyさんのご主人さまは男色のシーンが苦手って、そうですよね。
例えば女性がレズシーンを観る時のような、ちょっとした照れがあるのかもねぇ~(笑)

投稿: ちゃろ | 2007年5月 8日 (火) 17時46分

ちゃろさん
ジャンルは邦画のアート系かな。もちろんR指定でしょう(うへ)。

>例えば女性がレズシーンを観る時のような、ちょっとした照れがあるのかもねぇ~(笑)

うちの夫がイヤなのは、エロエロと男同士が抱き合うような男色シーンのようで、この映画はそれとはかなり異なるので、最後までしっかり観てましたよ。

そういえば、うちの夫はオカマの映画もイヤがるのに「カポーティ」のゲイなカポーティの話し方や物腰、まったくいやがってませんでした。あまりにF・シーモア・ホフマンの演技が素晴らしくて、映画自体も面白かったのできっと気にならなかったんでしょうねえ。

投稿: betty | 2007年5月 9日 (水) 10時36分

ゲルマニウム・・・ありませんでした。(;´д`)トホホ

「カポーティ」は、無理なゲイゲイ演技が無かったと思いました。
何だか自然にサラ~ッと演技してたような(笑)

投稿: ちゃろ | 2007年5月10日 (木) 16時50分

ちゃろさん
「ゲルマニウム~」やっぱなかったですか。
しょぼん。
変態も見て欲しかったんだけどな~。
カポーティは自然でしたよねえ~。すごかったよお。

投稿: betty | 2007年5月10日 (木) 21時33分

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豚のオチンチンをおっきなハサミでバッサリやったり、内臓をきれいにより分けたり、むごたらしい人の撲殺シーンなど、そこには狂気の世界が広がっている・・ 捨てられて修道教護院で育った朧(ろう:新井浩文)、衝動殺人の末に再び舞い戻ってきた。アスピラントの教子(早... [続きを読む]

受信: 2007年5月 3日 (木) 02時05分

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