あるいは裏切りという名の犬~薫り高い傑作♪
なんて大人の、なんて渋い、なんて寡黙な、なんてなんて、なんて色気に満ちた映画でしょう。
陰影に富んだ薫り高い逸品でした。
ノワールはこうでなくちゃ。余白がすべてと言ってもいい。黙ったときにこそ豊かな映像と俳優・・・。
前記事でとりあげた「インファナル・アフェア」と同じように香る映画よね。
(ネタバレも含みます)
パリ警視庁・・・官僚社会でもあり、裏社会ともコインの表裏のように存在する。
犯罪に立ち向かうために命をかけた者たちは命をかけてるからこそ深い絆で結ばれもするが、警察組織のなかにあっては政治や権力から自由ではいられない。
義や、職務や、愛や、裏切りに引き裂かれそうになりながらなにを最終的なよりどころにしていくのか?
人生観、生き方。。それも組織のなかでは我を押しとおすことはできないわ。シビアです
そのシビアな世界で、かつて一人の女性をめぐって対立した男2人、今は共に警視となっている。
警視といえど弾が飛び交う現場で陣頭指揮をとるんですねえ~。
一人はBRI [探索出動班]、一人はBRB [強盗鎮圧班]。
パリ警視庁の機構も興味深く、警察ドラマとしても秀逸だと思います。
現金輸送車強奪事件を追っていく中で、2人の対立は裏社会と正義と官僚社会を行き来しつつ、組織を根底から揺すぶり緊迫感を増しながら、高まっていくんですね。
でもその対立も白黒くっきりつくものではないんですよね。グレーゾーンにとらわれる。
それは2人でだけではなく、誰もがね。
伏線はまったくぶれることなく、最後の最後までぴーんと張ったまま、見事な結末へとぐいぐいと牽引していくんです。
小道具のナイフとティティがあのクライマックスを導くなんて(@@)
すごい傑作と思ったら、やっぱりハリウッドが即、リメイク権をゲットしたそうですね。
でも、ワールドシネマ好きな私にとってはこういうアメリカ映画産業のやり方ってあまり好ましくないんだわ。
映画の良さは素晴らしい脚本だけではなく、その国や文化に固有の匂いや、画面の質感、俳優の味わいなど、具体的にはとらえられない微妙なものの集合体だと思うから。
アメリカには各国の傑作を各国の言語のまま、アメリカ人にメジャーに公開する努力をもっと考えてほしいな。
それが世界の映像文化、映像遺産にたいする貢献だと思うんだけど。。
映画産業としてだけでなくてね。
と、そんなことも考えさせられる「あるいは裏切りという名の犬」の素晴らしさとそのハリウッド・リメイクの話題・・・。
せめて日本ではアメリカナイズされすぎることなくオリジナルをちゃんと観るようにしたらいいなあと思うんですが。
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コメント
bettyさん
坊主頭のコ、フェレ・マルティネスに似てましたよね?いい感じでしたね。
女性捜査官もお男たちと同じく渋く描かれていたのも素晴らしかったです。
エディはちょっと女性的でしたよね。ダニエル・オートゥイユと腕を組み合うとホモくさくてそういう展開も初め期待してしまいましたがぜんぜん違って渋くて重厚で良かったです。満足しました。
投稿: Mire | 2007年2月 3日 (土) 18時50分
こんにちは☆
この映画、すごーく渋かったですよね。
確かにインファナルアフェアに通じるものあったと思います!
そしてハリウッドのリメイク、、、
きっと怖いもの観たさ、みたいな感じで鑑賞してしまうんだろうなぁ。
いつもTB送れなくてすみません><
投稿: きらら | 2007年2月 6日 (火) 15時32分
>Mireさん
ティティ、フェレ・マルティネスよりハンサムだったと思いますたよ。
女優さんたちもすごくよかったですよね~。
ミレーヌ・ドモンジョも貫禄とあの味わい、半端じゃないですね。
>きららさん、
リメイク・・私も、オリジナルは超えないと思いつつ、でもやっぱり見ちゃうと思います(気になるんだもん、笑)
トラックバック、ぜんぜん気になさらないでくださいませ~。
勝手にこっちが送らせていただいてますので。これからも送りますので気になさらないでくださいね。
投稿: betty | 2007年2月 6日 (火) 16時45分
bettyさん、はじめまして。
先日はトラックバックを送ってくださり、またこちらからのトラックバックも承認してくださってありがとうございました! 遅くなりましたけれど、ご挨拶にうかがいました。
bettyさんの記事、あちらこちらで頷きながら拝読しました。とくにパリ警視庁の仕組み。わたしはフランスの刑事物を観たことがなかったのもあって、とても興味深かった部分でした。
これからもよろしくお願いします。よければまたうちにも遊びに来てくださいませ:-)
投稿: マオ | 2007年2月 9日 (金) 21時40分
マオさん
こんにちわ。
ご丁寧にありがとうございます。
ぜひまた遊びにいかせていただきますね。近々(^^)/
投稿: betty | 2007年2月10日 (土) 12時51分
「あるいは裏切りという名の犬」久々に『堪能』しました。最近『堪能』という言葉に飢えていた私には嬉しい作品で2回劇場に足を運びました。いくつもの伏線が絡み合うストーリー展開、さらに行間から情感があふれるような『大人の映画』もっともっと増えて欲しいと思いますね。
余談ですが、ドバルデューさんのお鼻とっても気になりました。「終電車」「隣の女」あたりは普通より高大きいな、という程度だったのが、ますます、さらに大きくなって……
。
投稿: 怜 | 2007年2月15日 (木) 15時37分
怜さん
>ドバルデューさんのお鼻とっても気になりました。
>ますます、さらに大きくなって……
大きくなって・・へんな形になっていくようですねえ~。
オシリのように割れてる(@@)と思わず言ってしまいました(^^;)
私の友人の映画ファンたちも皆言ってましたよ、あの鼻、どうしたのお~(@@)って。
年輪があそこに刻まれていくようですね~
投稿: betty | 2007年2月16日 (金) 13時01分
はじめまして。『よんふぁ広場2』のHONDOです。こちらの方でもご挨拶させていただきます。
この作品、おっしゃるとおりシビアな世界で、単なる奇麗事ではない、ダークな作品で、それゆえ見応えがあったと思います。(何でも実話が基だそうで…) ハリウッドのリメイクには私も正直疑問ですが…
これからもよろしくお願いします。
投稿: HONDO | 2007年2月21日 (水) 20時29分
HONDOさん
こんばんわ。
この映画、実話なんですか。映画の最後に、誰かにこの映画を捧げる、というテロップが流れたと思うのですが、きっと実話に関した人のことだったのですね。
すごい話ですね。
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
投稿: betty | 2007年2月21日 (水) 21時53分
久し振りに、お邪魔させていただきます。
男たちの戦い、よかったです。 二人の演技は圧巻でした!
おっしゃるとおり、『インファナル・アフェア』を彷彿させてくれました。 ハリウッドのリメイク制作には、ほとほと嫌気がさしますが。(でも、気にはなる・苦笑)
TBさせていただきました。
投稿: abricot | 2008年1月21日 (月) 11時36分
アブリコさん
こんにちは。
男のドラマいいですよね。
リメイクも確かに気になって、やっぱり観ちゃうと思います(^^;)
TBありがとうございます。
投稿: betty | 2008年1月22日 (火) 20時08分