太陽~ロシア人のみた昭和天皇
ソクーロフ監督「太陽」。
イッセー尾形さん演じる昭和天皇、うまい。うますぎ。
芸の域で演じているのね~。
「トニー滝谷」のときのイッセー尾形はナチュラルに演じていて芸とはまた別な魅力を発してましたっけ。
それにたいし、あくまでも芸で演じた昭和天皇は、それはイッセー尾形のリアルであり、ソクーロフ監督のリアルなのね。
でもそれはロシア人はわかってない、とか、イッセー尾形はちょっと違う、とかいうことではぜんぜんないと思うの。
リアルってなに?ということにいきつくかなあ。
誰もが観ているもの、みえてるものはリアルだとして、でもそのリアルなものが、例えば◎さんの目をとおし、頭を通った段階ですでにそれは◎さんのリアルであって、ほかの人とはちがってくるでしょう。
リアルってそんなふうに個々人のフィルターを通してすこしづつ変わっていくものね。
日本人がみている昭和天皇もそうだし、まして近くにいるからこそ見えないもの、既成概念で歪められたものがあり、遠くからみた人がさらっと見たことのほうが実像にちかいものがあるかもしれないしね。
そんな理由で「太陽」の昭和天皇は、イッセー尾形さんとソクーロフさんが表現する昭和天皇だからこそのリアルをひとりひとりが見出せばいいんじゃないかしら。
と思ったらこの天皇、やっぱりすご~~い。
世俗離れな雰囲気、純粋培養の無垢さ、何ヶ国語も話す知性と教養人の横顔、現人神であることの苦悩、それらを飄々と交わすときのそっけなさ・・・・ひとつひとつあげたらきりがないほど、たくさんの天皇像を破綻なく一人で演じきったイッセー尾形はやっぱりすごい!
芸の域で演じたせいか、米兵からチャップリンに似てるといわれるときの天皇陛下はほんとうにチャップリンみたいなのね。立ってるだけでね。
複雑にして神秘的な存在をしなやかにこなしてしまうイッセー尾形に目がくぎづけ。
執事役の佐野四郎と老僕役のつじしんめいが二人合わせて織り成すリズムはまるで日本の伝統芸能の鳴り物みたいでシテであるイッセー尾形を引き立ててるのね。
全体の地味なしつらえも能のようじゃない?
ソクーロフ監督って日本文化に造詣が深いのかしら?
日本人が見て、ものすごくヘンという箇所はなかったように思うもんだから、ソクーロフ監督の感性と理性の高さにあらためて感嘆させられたわ。
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コメント
突然のTBお許しください。すいません。
本当にこの映画、迫真の演技。最高ですね。
本当にビックリしましたよぅ。。。(感動)
投稿: 周旋屋のをとっつあん | 2006年11月 3日 (金) 23時47分
周旋屋のをとっつあん さん
いらっしゃいませ~~~~♪
ほんとに素晴らしい芝居でしたね!あんなふうにある人物に似せることができるってすごいし、似せてるけどやっぱりイッセー尾形だし。
すごい!!(すごいという言葉しか出てこなくてすみません^^ていうぐらいスゴイなあ~)
投稿: betty | 2006年11月 3日 (金) 23時58分
なるほど。「能」ですかー。
イッセー尾形はすばらしかったですよね。
ソクーロフの真摯な思いにも感銘。
製作にあたりたくさんの資料を見たらしいです。
そして、佐野史郎さんなどもいろいろアドバイスをしたみたいです。
リアルでしたよねー。
投稿: かえる | 2006年11月 5日 (日) 22時29分
かえるさん
>ソクーロフの真摯な思いにも感銘。
うん、ほんとね、ソクーロフってあらためてすごい映画人だなあと思いましたよ!
>佐野史郎さんなどもいろいろアドバイスをしたみたいです。
アドバイスしたんですね、やっぱりすごいな~ソクーロフ監督☆
グローバルな視点でとらえた日本人像、歴史観には、日本人以上の普遍性を感じたというか・・・うーむ、すごいねえ~~。
いろいろ教えていただいてありがとう♪
投稿: betty | 2006年11月 5日 (日) 23時53分
こんにちわ。
北海道でも公開されたんですね~
私もイッセーさんのお芝居には驚かされました。
いや~素晴らしい!その一言しかありません。
で、あまりにも感激した勢いで一人芝居も見に行ってしまいましたよー。
こちらも素晴らしくって・・・両方TBさせて頂きました。
桃井さんの皇后も結構好きです。
投稿: chocolate | 2006年11月 7日 (火) 10時30分