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2006年9月18日 (月)

いちばん美しい年令~フランスの超エリート高校

Nen フランス映画「いちばん美しい年令」。

フランスがいかに学歴社会であるかということは日本人の想像をはるかに超えるっていわれるけど、半端じゃないみたいよね。

フランスの学校制度が、並みに大學に進む方向と、高等専門学校(グランド・ゼコール)を目指す超エリートの方向と15才ぐらいからくっきり別れて複雑なので簡単に説明は出来ないんだけど。

そのへんのことはこちらのホームページを読むととてもわかりやすいのでご覧になってください。http://www2.ocn.ne.jp/~tkn/france/f6j.html

要するに高卒時にバカロレアという試験を受ける。バカロレアをとれば大学はどこでも希望のところに無試験で入れるというわけ。日本で有名なソルボンヌも誰でも入ることができるのね~へえ~(知らなかった)。

だからフランスでは大學には基本的に優劣はなく、エリートを目指す子はグランドゼコールのための高校に入るというわけなんですねえ。へえ。

そこまでの道のりもすごく厳しいのね~。

世界的一流企業、国家機関の超エリートとしてリーダーになっていくにはグランド・ゼコール(高等専門学校)のなかでも一番の通称“X”と呼ばれる理工科学校に入らないといけないらしい。

“X”を出たら、国家機関と企業、どっちへ行ってもリーダーとなる。なるに決まっている。

もしも“X”に入れなかったら次ぎは“ENA”といわれる国立行政学院。

“ENA”も15番以内で卒業すると国の監査機関のなかの行きたいところを選べるそうなの。

というわけで、“X”を頂点とする高等専門学校に入るため、子供たちは小さい頃から徹底的に争わされるそうなの。

成績順にクラスわけは当然のこと。

例えば文学の授業も、感性を磨くというよりは、論理と知識のための詩の授業みたいな感じらしい。

この映画「いちばん美しい年令」ではそのところもかなりじっくりみせてくれます。

そのこの映画の舞台である高校が“アンリ4世校”。

ほんとうにパリにある高校で、生徒たちはそれぞれの高等専門学校を目指すのね。

(ようやく本題まできた)

924 将来のフランスを背負って立つエリートたちがしのぎを削る実在の学校のこと、フランス国内的にはきっとかなりな話題作、センセーショナルだったんじゃないかな。

でも、フランスの学校制度になじみが薄い私にはなんだかな~で。

国立行政院だか理工科学校だかを目指すメルビル・プポーと、高等師範学校(学者や研究者を目指す)を目指すエロディ・ブシェーズ、高等士官学校を目指すガエル・モエル。

彼らが暗~~い学校生活をみせてくれる。

とても暗い。

受験と将来へのプレッシャーは子供の根性を悪くさせるでしょう、だから根性悪いの、とくにメルビル・プポーの根性が。

それでいてちょいとイケメンなので女の子にもてるのかな。

すでに鼻持ちならないエリートのいやらしさいっぱいで、女の子をサディスティックに扱おうとしたりして、逆に踏みつけられたり。

屈折してるねえ~。優しさのかけらもないみたいだし。

国や各界のリーダーとなる人材がこう暗くて屈折してたらコワイわね。

人を蹴落とすことばっかり考えて勉強してたらろくなもんにならないのは当然のこと。

(フランスの観客も、自分や自分の子が行けなかったアンリ4世校の生徒の屈折ぶりを見てこんなふうに言ったんじゃないんでしょうか、

・・・・・お勉強ができても人間としてバランス悪いわよね。うちの子みたいにフツーがいちばん、フツーでよかった、と)←私なら映画観た後友達とお茶しながら言ってるわ~、それって僻み~?笑。

繊細で多感な年令の若者たちが体から発する焦燥や抑圧や情熱がひりひりとした痛みを、画面に擦り付けているような映画かな。

痛々しい作品なのね・・

私はこの映画が醸す10代後半の痛々しい感性が好きなんだけど、かといって共感とか理解はいまひとつだった。

理由はフランスの独特の学校制度や受験システムがちゃんとわかってないからかも。

彼らの悲劇にたいしてすごく距離があるの。

主演のエロディ・ブシェーズはカンヌ映画祭主演女優賞だもんね~。そんなに良かったかな??とはちらっと思ってしまうな。

なるほど、フランスにおける教育熱を考えると、実在の超エリートなリセ、アンリ4世校を舞台にしたという時点で国内的にはかなりな話題は当然ですね。

しかも、そこで行われている陰湿なイジメや、将来のエリートたちの負の側面を炙り出しているとくれば、すご~~~くセンセーショナルでしょう。

私には距離がありすぎたみたいだけど。

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コメント

私なんか、この日本で「普通で良いのよ。普通で良かった」って思ってますから・・・・これは完全に負け惜しみですね。

もう一回見てみよう

投稿: taba | 2006年9月16日 (土) 08時32分

へぇ~フランスの学歴社会すごいんですね~
この映画知らないけど、
この記事で色々勉強になりました!

投稿: Chocolate | 2006年9月18日 (月) 21時47分

資格取得試験と違って、学校受験って相手を蹴落として自分が浮かび上がる訳ですから、性格も歪んできますよねぇ~。
もう一度、受験勉強しろ!って言われたら、私は丁寧にお断りしますわ(笑)

投稿: ちゃろ | 2006年9月19日 (火) 14時38分

tabaさん Chocolateさん ちゃろさん

フランスの教育制度ってヨーロッパの中でもとっても独特だったんですね~。
とくに理系にたいする尊敬は昔からすごいらしいんです。
フランスでは数学が出来るが出来ないかがとっても重要らしいの。
芸術やファッションのイメージありますけど、フランス人をもっともよく象徴するものはエッフェル塔らしいです。
1900年にあれを建てたということがフランスの理系の粋、ということなんでしょうねえ~。

受験勉強、大事だけど弊害もあるよね。教育って難しいわね~。

投稿: betty | 2006年9月20日 (水) 09時03分

「美しい年齢」ちょっと日本では考えられないフランスの十代の若者の世界。これがフランスの若者全てに当てはまるわけではないでしょうし、当然フィルターから外れる若者も大勢いるわけでしょうが、ただとても印象に残ったのは、日本の若者に比べ精神的な鍛えられ方が違うということ。自分の考えを打ち出し、それを教師が徹底的に叩いていく。自分の意見をきちんと発表するということを学生時代に徹底的に行なわれる。これはフランスだけではなく、ヨーロッパでは教育の中で普通に行なわれている事なんでしょうね。本作のようなエリート校ではさらに徹底して鍛えられる。教師の側もマンネリに授業などできようはずがない。
賛否両論は別にして、学生を精神的に鍛え上げるということに1本筋が通っていて、そしてフランスでは大学へ行くための試験では理系も文系も哲学は受験科目の必須ということを本作のパンフで知り、「さすがフランス」と思いましたね。
「鍛えられ方」という点で、日本の学校教育のあり方考えさせられた映画でもありました。
メルヴィル・プポー目当てで観たのですけどね…

投稿: 怜 | 2007年2月26日 (月) 14時37分

怜さん
フランス人は哲学も好きらしいけど、数学をできる人にたいしてはすごい尊敬を払うんですって。
パリっこにとっての誇りは美術館よりも、エッフェル塔なんだと聞いたことがあります、エッフェル塔には理系の粋が詰まってるということらしいです。
哲学や文学を論じれるのは当然であり、数学ができるのがエリート、ということらしいですよ。
ということはけっきょく哲学も数学もできてはじめてエリートと呼ばれるということかな。

投稿: betty | 2007年2月26日 (月) 20時17分

フランス文化のプライドでしょうね。「哲学、文学を語れないやつはフランス人ではない」扱いなんでしょうね。ジム・ジャームッシュがこれに関連した内容のことをエッセイかインタビューで触れてました。面白いなと思いました。いまは仕事中で、家に帰ってから確認して、またメールしますね。

投稿: 怜 | 2007年2月27日 (火) 14時34分

怜さん
ジム・ジャームッシュのエッセーだかインタビューだか、時間があるときで結構ですので教えてくださいね~。

投稿: betty | 2007年2月27日 (火) 21時19分

遅くなりました。ジム・ジャームッシュのインタビューから。長くなりますけど、そのまま載せますね。

インタビュア:ジョナサン・ローゼバウム(1996年)
『アメリカ映画のレベルが落ちたという趣旨のエッセイの中でフィリップ・ロパテが書いてましたが、曰く、「ジム・ジャームッシュを例にとってみよう。才能豊かで知性的な監督、コロンビア大学で詩の勉強をしたけれど、撮った映画はどれもこれもダメな人間の話ばかり。毎晩飲んだくれ、メンフィスへ巡礼したかと思うとエルヴィスの幽霊が出てきたり、銃をぶっ飛ばすやつがいたり、そしてみんな夢遊病者みたいに彷徨い歩く。」』

ジム・ジャームッシュ
『そんなの知るかってかんじだな。前にロベルトとローマの安食堂で昼飯を食べていたことがあった。長テーブルで、よその連中と相席になるんだ。僕らの席には青いつなぎを着込んだ労働者たちがいて、表の路地で仕事をしていたようだったけど、ロベルトが話しかけたら、ダンテとアリオストとそれから20世紀イタリアの詩についての話が始まった。もしファッキン・ワイオミング州かどこかに出かけてバーにでも入って、そこで「ポエム」だなんて口走ろうものならケツに銃口突きつけられるのがオチだ。それがアメリカなのさ。それにひきかえパリでなら、道でゴミ集めしている連中でさえ、19世紀絵画の愛好者だ。
まあ、よくわからないね。襟を正して「ここは間違ってる、僕らもあちらみたいになるべきだ」なんていうべきなのかね。』

(JIM・JARMUSCH innterviews~映画監督ジム・ジャームッシュの歴史/東邦出版/ルドヴィグ・ヘルツベリ編・三浦哲哉訳/1,905円)本文366頁。帯文『ジム・ジャームッシュが自身が愛した映画、音楽、そして自作について語り尽くす』オススメです。

このなかでもう一つジムの言葉を紹介しますね
『詩というのは僕にとってものすごく力強くて美しい表現形式だ。言語の新しい使い方の多くは、詩から来てる。ダンテはヒップ・ホップ・カルチャーだったんだと思うね。なにしろ彼はイタリアの俗語で書いたわけで、そんなことは前代未聞だった。当時はラテン語で書くのが当たり前で、ペトラルカは上流社会のイタリア語で書いたけれど、ダンテはストリートの言葉を使った。詩人はある意味で、ものごとの最前線にいるんだよ。言語の感覚とか、ビジョンにおいてね。~(中略)~なんていうか、詩が好きだ。チクショウ、詩が好きだ。誰か文句あるか!?(笑)

投稿: 怜 | 2007年3月 2日 (金) 10時14分

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