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2006年8月16日 (水)

砦なき者~野沢尚脚本の孤独と厳しさに号泣した

Tbd5610 以前から観たかったテレビの特別ドラマ「砦なき者」。公式サイトはこちら

テレビ朝日の開局45周年記念番組として放送されたものなんですが。

私は未見だったのですが、いろんな人から見ごたえのあるドラマだと聞いて、ついにDVDを購入した。

TVドラマのDVDを買うのは初めてかもしれないなあ。

というのも理由はふたつ。脚本家とキャストが魅力的だから。

キャストの妻夫木聡と真木よう子が観たい。

脚本が自ら命を絶った今は亡き野沢尚さん。野沢さんのドラマは鋭く深いから。

Toride6_1 期待どおりな上質なドラマだった。

なんなの?!ドラマが発してる不思議な気は?!

野沢尚さんが亡くなるとき書かれていた途中の脚本はあったけれど、完成されたドラマとしてはこれが遺作だったとか?

野沢さんの死とこのドラマのいくつかの死がシンクロし、それが感性を揺らすのだろうか?

テレビ界を舞台にしたサスペンス。

テレビマスコミが持つ不気味な力が気味悪い。それが時に人間を殺しもするし、カリスマにもする。。

脚本家でありながら、自らをテレビ側の人間として内省しながら厳しく描いた野沢さんの脚本が深い。

ラストシーンでこらえきれず号泣、砦なき者の孤独の深みにずぶりとはまり込んでしまったようだわ。

可愛い顔した妻夫木聡、この人の“陰”の部分がこのドラマではすごい。

「ウォーター・ボーイズ」での明るく可愛い高校生の“陽”な印象があるんだけど、じつは彼はそれだけじゃない。

「さよならクロ」のときの落ち着いた複雑な大人演技で感心させられてからは、一筋縄でいかない俳優と思っている。

「ジョゼと虎と魚たち」でのフツーの大学生のなかにあるちょっとした計算高さや狡猾さ。

「やわらかい生活」での繊細な脇役演技。

「春の雪」での屈折した特権意識。

人間の多面性と翳りを幾層にも折り重ねた襞のように感じさせる人なのね。

映画俳優としてはとても品格があり正統派の良さもたっぷり持っている。

若手のスター俳優としてはいちばんかってるかな・・

このドラマでは脇役だけど真木よう子も若手女優でいちばんかっている。

そうそう真木よう子といえば「ベロニカは死ぬことにした」のレビューをこちらに書いてます。この記事へのアクセス数がほかの記事にくらべて抜群に多くてびっくりしているところです。一日に「ベロニカ~」だけに300ぐらいアクセスがあった日もありまして。

「砦なき者」でも堂々と危ない役を演じきってます。やはり眼力が素晴らしいのね。

「砦なき者」は、テレビ界に棲む(テレビが生み出す)魔物、であるなにかを抉ろうとした作品と思います。

これは辛いわ~。テレビ界で、しかも視聴率競争にまみれながら、野沢尚さんが突き詰めようとする真実はあまりにも巨大だもの。

野沢さんはどんなテーマでも容赦なく、脚本家である自分を責め立てたんでしょうね。

だから行き詰ったのでしょうか?

怪物を演じる妻夫木聡がとても哀しい存在感でこのドラマの陰影をより濃くしている。

報道番組のキャスターである役所さんと、ある事件をきっかけにマスコミにもてはやされるようになる若者・妻夫木くん。

妻夫木の闇は際限なく暗くて深い。おそろしい人間だ。

その怪物が呟く。

「ひとりで行くのは怖いな」と。そして彼の前に役所さんの姿が現れ手を差し伸べるシーンでもうだめ、号泣。ぐぐぐっと泣いた。

妻夫木が話す「砦なき者」の話がしみる。

そんなことを考えるにいたった彼の心の闇がほんとうに辛い。

犯罪者は悪い、人殺しは悪い。それはごもっとも。

でも、ドラマや映画のなかでは、そうではないこともありなんですよね。

人殺しは悪いというのは正しい、と同時に、何が彼をそうさせたのか?というところの真実を掘り下げるのも正しい。

それがドラマや映画の素晴らしいところよね。

テレビについて真摯に問いかけたテレビ朝日の姿勢も評価したいなあ。

でも野沢尚さんは突き詰めすぎたわ。疲れたんでしょうか・・。あらためて野沢さんの素晴らしさを称えたい。

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コメント

bettyさん
ディズニーランド楽しかったですー、でも暑かったー。銀座のかき氷はあきらめました。娘たちが渋谷がいいと。私は渋谷はすこしも楽しめなかったですよ。
「砦なき者」DVDを買ったんですね。妻夫木くんがやると怪物の哀しい存在感がより感じられましたよねー。キスシーンはヘタですよねー(笑)

投稿: ポテコ | 2006年8月17日 (木) 16時51分

このドラマの妻夫木くん、悪の華で暗綺麗でした。
最近、正統的で清潔で品格があり演技もうまい若手は少ないので、妻夫木くんは貴重な存在ですよね。
私はこの↓映画が楽しみですよ~ぉ。
http://www.dororo.jp/

投稿: Mire | 2006年8月18日 (金) 10時10分

Mireさんポテコさん
このドラマ、教えてくれてありがとうございました。あ、もじもじ猫さんも「砦なき者」の妻夫木くんがいいって言ってたんですよね。
年上キラーだわん、妻夫木くん。

ポテコさん
東京暑かったでしょう。良い夏休みでしたね
棒寿司買えたかな?

Mireさん
「どろろ」、見たい見たい。楽しみです♪
でも2007年公開・・だいぶ待つね。でもいい、妻夫木くんと柴咲コウなら期待できるから☆

投稿: betty | 2006年8月18日 (金) 18時45分

bettyさん
棒寿司、すっごく美味しかったでーす。最後に残ってたお小遣いを全部棒寿司に使い果たして帰ってまいりましたよー。穴子のも2本買いました。穴子がふんわりして厚みがあって口に入れたら笑顔がほころぶってやつでしたー。
いいもの教えてもらってよかったです。嫁の株が高騰中ですよー(笑)

今日から「ゆれる」上映ですね。ポテコは下の子が学校始まってからにします。

投稿: ポテコ | 2006年8月19日 (土) 08時27分

ポテコさん
嫁の株上がってよかったですね~。
おすすめの空弁、ご家族みんな気に入っていただけたようで嬉しいです。
そのうち「黒いなり」も食べてみてね。

「ゆれる」、今日ステンドグラスがあったので観れませんでした。
旅行に行く前に観たいんだけどなあ。「ブライアンジョーンズ~ローリングストーンズから消えた男」も観たい。

投稿: betty | 2006年8月19日 (土) 22時29分

こんばんわ~。
これを妻夫木君にやらせた事務所がエライ、と当時思った記憶が蘇りました。
原因はあるにしても、悪の根が深い役だし、映画ではなくTVで演じる危険性ってあるし。
(TVしか見ない人の判断基準って、めちゃ甘いですから)
そして、演じ切れてる妻夫木君もすごいなと。
某掲示板では「若いときの窪塚君の方がイメージ」という話もありましたねぇ。
役者さんのタイミングってありますね。
とにかく、放映時に見入った作品です。

投稿: もじもじ猫 | 2006年8月19日 (土) 22時41分

もじもじ猫ちゃん
こんばんわ~~。

>「若いときの窪塚君の方がイメージ」という話もありましたねぇ。

そうなんですかあ~
私は、妻夫木くんが一見すごく普通で良識ある若者な容貌なので、だからこそ内奥の闇とのギャップがすごいと思ったのですが。

妻夫木くんの存在感をかみしめましたわ。
で、三池監督が演出した「SABU」も見直したくなりました。
あれ、藤原ナントカの演技がいまひとつと感じて途中でやめちゃったのよ。
今となっては妻夫木くんの初時代劇、きちっと観ておきゃよかったと後悔後悔。
借りてこなきゃ。あるかな。

投稿: betty | 2006年8月19日 (土) 22時50分

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2004年/日本 監督/鶴橋康夫 脚本/野沢尚 「テレビを信じてはいけない」 「破線のマリス」に引き続き、テレビ局の功罪をよりセンセーショナルに描いた傑作。テレビドラマだけど、DVDも出ているので多くの人にぜひ見て欲しい。 「破線のマリス」よりもメディア批判はさらにパワーアップしてる。実際公式HPの原作者よりというページで野沢氏自身が、『この「砦なき者」のテーマは、テレビを信じてはいけないということ』、と言い切っている。テレビドラマというジャンルで曲がりなりにもギャラをもらっている... [続きを読む]

受信: 2007年3月 4日 (日) 14時15分

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