御法度~衆道(君はそのけがあるのか?)
←こんな18歳の男の子をいれてみて
はてさて、男たちの世界にどんな波紋が広がるか?!
と、それを映画化した大島渚監督、さ~すが「愛のコリーダ」の監督ですね。
誰がということではなくて、画面全体から男たちのエロティシズムが匂ってくる。
男だけの世界で、男同士が誰が好きだの、誰と誰があやしいの、誰に嫉妬しただの・・・と繰り広げる。
その世界が映像芸術として隠微によく描けてること。
とはいえ、原作は司馬遼太郎、「新撰組血風録」に収録されている「前髪の惣三郎」「三条磧乱刃」。
ですから、時代背景、新撰組の当時の事情なども抜かりなく。
「君はそのけがあるのか?」という崔洋一監督の台詞で「おいおい、そんな話なのー!」とびっくりした夫も、けっきょくは、巧みに構築された様式美や映画の底に地響き立てて迫ってくるのが感じられる歴史のうねりなどに引かれて観てしまい、面白かったそう。
とにかく映画としての作りが素晴らしいです~。
色、音、影、空気、などが最高。
美術、撮影、衣装、音、どれをとっても一流の粋。
ひとりの少年が入隊してきたことで、厳しい戒律の新撰組にやがて《衆道》(ホモセクシャル)の風が吹き荒れる。
おっと、観る前にご注意を。「御法度」のキャスティングはかなりユニークです。
土方歳三がタケシさん、近藤勇が崔洋一さんと。
マイワールドな新撰組を妄想している人はそれに慣れるまでたいへんかしら。
天下国家を論じる血の匂いぷんぷんの男たちの、ひそひそこそこその《衆道》な様子の対比もおもしろいですう。
一流の粋を結集した画面のなかに、《衆道》とはまた大島監督の贅沢な遊びに酔わされる。
さてさて、新撰組における《衆道》の季節はいかにして過ぎ去っていくのか?
黒がきりりと美しい映像美。空気は耽美でありながら端正そのもの。
(←加納(松田)への愛をストレートに表していた田代(浅野)の最後がせつない)
大島渚監督の反骨精神、かっこいい。
新撰組で、大作で、堂々とホモセクシャルをテーマにできる監督は世界ひろしといえどあまりいらっしゃらないでしょう。
しかもそれが世界から公開を期待されて待たれるなんてね。
萌初心者「衆道」入門編としても、また、「衆道」マニアック編としても、細かいところにツボを練りこんでます。
そのせいか、この映画が公開当時、「御法度」リピーターと化した女性ファンを『ゴハッター』としてワイドショーが取材するほど。
なかにはカンヌ映画祭にまで追っかけした『ゴハッター』がいたんです。
はまる人はめちゃめちゃはまる。
まったく興味がない人はアートな映像美からしてもうダメって感じじゃないかしら。
私は正直、松田龍平のお顔がいまいち好みじゃなくて・・、だからといって、それでこの映画の良さは減じませんが。。
まことに大人の映画を作れる気骨溢れる大島監督の新作はもうありえないのかしら。それがとてもさびしい。
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