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2006年8月15日 (火)

地雷を踏んだらサヨウナラ

Freerancer_01_01 70年代初頭、カメラを持って日本からカンボジアへ渡っていった若者がいた。

←一之瀬泰造、戦場カメラマン。

73年にカンボジア人の親友に「地雷を踏んだらサヨウナラ」と言い残し、クメール軍の聖地であったアンコールワットを目指して出かけたタイゾーは、二度と戻ってこなかった。

25歳だった。

その後1982年にアンコールワット近くの村で、両親によってその死が確認された。

タイゾーはなにを目指したのか?

映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」はそんな一之瀬泰造の閃光のような人生を描いているのね。

(←こちらは映画でタイゾー演じる浅野忠信、そっくり@@)

映画は説明を与えず、それ以上に雄弁にタイゾーの行動と表情を映し出していくの

そこから読み取る答えは観た人ひとりひとりちがうんじゃないかしら。

でも、一見無鉄砲で生き急いだようにみえるタイゾーの生き方には誰もが強烈に何かを喚起させられるパワーがあるよう。

戦場を駆け抜け25年の短い生涯を閉じた若者の熱い生き様に、五十嵐匠監督はひたすら伴走しようとしたみたい。

その結果、タイゾーがみた戦場が、彼が交わした人々との心の交流が、そこで感じた喜びヤ悲しみや、そして生と死が写しこまれ、戦争というものにも向き合わされることになる。

そして、際限なく繰り返され、人の命があっけなく奪われる、戦争の虚しさと悲しみに向き合わなければならなくなるのね。

その悲しみの奥からも、タイゾーの強烈な生き方が彼の笑顔とともに浮かび上がり、観るものをかりたてるのでしょう。

もっともっとVIVIDに生きなくちゃ、と最終的に肩を叩かれたような気がするもの。

命をかけることはできないけど、もうすこし熱く生きてみたいなと思わせてくれる。

彼はなぜもっとも危険といわれたアンコールワットに行こうとしたのか?

彼が戦場カメラマンを目指して海を渡った頃は、カメラマンとして名を上げたいという若者らしい功名心もあからさま、それがすごくリアリティーがあってこの映画のいいところです。

戦場で散ったカメラマン、ということで思いがちな偽善的な作り方ではないのね。

おそれを知らぬ大胆さにあきれながらも憎めない。

やがて、カンボジアからベトナムにも渡り、多くの死を見たときに、彼の中に恐れ(畏れ)が生まれてきたんじゃないかしら。

戦場の只中に建つアンコールワットの姿に彼は恐れ(畏れ)を受け止め、この世の悲劇をじっと見守り続ける強いなにかを感じたんじゃないかしら。

あそこに辿り着こう、あそこを撮ろうという思いはタイゾーのなかの、平和への希求と結びついたのではないかしら?

というのはもちろん私の印象。答えはみんな違うでしょうねえ~

一之瀬泰造を演じた浅野忠信がおそるべき自然体で、演技の後をすっかり消し去り、ここでもまた稀有な才能を見せつける。

Img8af0f215ct8sn3_1 一之瀬泰造というよく知られた個性的な実在のキャラを、気圧されることなく、堂々と自然体で演じきり、やっぱりすごいのねえ。

←現地の子供たちとのやりとりもまったくの自然。

台詞の95パーセントがカンボジア語、英語、ベトナム語、それをまたいつもの浅野節は変わらず飄々と喋ってしまう。

飄々としてるけど熱い。

熱いキャラ、熱い演技、というと普通の俳優は芝居そのものを熱くしがちでしょう。

でも浅野忠信はちがうのね。

外はごくごく普通に飄々と、でも中から熱い。

とにかく彼の自然体にはいつも驚かされますね。

音楽も素晴らしい。日本の映画音楽としてはそうとうに良質、さすが安川午郎さん、いつもいいお仕事してますね。

音楽がいいのでこの映画はDVDもサントラCDも買ってお宝にしている。

こちらが一之瀬泰造オフィシャルサイト

こちらが映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」サイト(以前はいろんなコンテンツがあったのですがいつのまにか写真だけになってました。99年の映画なので仕方ないか・・)

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