ココシリ~生き方が男前
(スガイシネプレックス札幌にて)
なんてかっこいい映画でしょう。
厳しさの奥にロマンも感じる。
異文化の真髄にも触れることができる。
男ばかりの画面からは男の色気も放たれて魅力的。
チベットの山の奥深く・・・新鮮な映像体験。
命をかけて信念を貫く男たちの姿にやられてしまったわ。
実話なんですね~。
中国青海省チベット高原、海抜4700メートルに広がる一帯“ココシリ”。
モンゴル語で“美しい娘”、チベット語で“青い山々”を意味する“ココシリ”にはチベットカモシカが生息している。
そのチベットカモシカの高価な毛皮を狙った密猟者が暗躍するようになり、チベットカモシカの生息数は激減した。
ココシリの自然を守るべく有志たちが集まり、民間の山岳パトロールが組織される。
彼らは命をかけて密猟者を追いかける。
その一部始終を同行取材する北京の新聞記者。
彼の書いた記事が中国全土を揺るがせることとなり、翌年、ついに中国政府がココシリを自然保護区に制定するようになる。
「ココシリ」はその実話を映画化したものだったのね。
映画は鳥葬から始まる。
観る者はまずは強烈な異文化の洗礼を浴びることになる。
海抜4700メートルの過酷な自然、変わりやすい天候。
ココシリと呼ばれる、天国にもなぞらえられるほど美しい自然は一瞬にして地獄にも変わる。
密猟者を追いかけて走れば高山病で肺が破けて血を吐く。
流砂にのみまれ大地に消えてゆく人間。
パトロール隊員たちが命を落としていく。
そこまで彼らを駆り立てるのは、その地、その民族に息づく祖先の思いであり、彼ら固有の死生観であり自然観であるのでしょうねえ。
だから「ココシリ」の山岳パトロールたちは理屈や知識で語ろうとはしないんでしょうか。
十分に教養のある若者も、理屈や知識ではなく、DNAに導かれ魂の声にしたがって自然を守ろうとしているように感じられたわ。
その姿からはチベットの土着の奥深くて強靭な自然観が感じられる。
命をかけ、信念を貫く男たち・・・誇り高い姿がかっこいい。
とくに隊長の姿からたちのぼる威厳とストイックさには惚れ惚れしました~。
密猟者との命のやり取りのシーンにも厳かさと謙虚さを感じさせる奥深い人間表現をみせて素晴らしいです。
厳しい。とても厳しい。でも甘い。
極上の男のドラマが放つ薫り高い甘さという意味でね。
上質なウェスタン映画のように娯楽性の盛り込み方と、アート性とテーマ性のバランスが素晴らしい~。
そうそう、チベットの田舎にも夜の歓楽の場所があるんですね~想像したことありませんでした。
女性従業員が網タイツにブーツでファッション雑誌から抜け出てきたような格好しているお酒を飲める場所ね。
ルー・チュー・アン監督、中国映画の新しい才能ですね~!
壮大なスケール、スピーディーでスタイリッシュな演出、魂の最深部までも感じさせる人間描写、真摯さとエンターティメントをもちわせた器の大きさ、すごいすごい!
これからもこの監督の映画は追いかけていこう。
とりあえず、この監督の前作「ミッシング・ガン」を観てみなくちゃ。
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コメント
コメントありがとうございます。
「ココシリ」は冷たい現実を上手く現していますよね~。
チベットはたくさんの人々の努力と犠牲のお陰で自然保護地区になりましたが、世界にはまだまだ保護地区とされていないところがたくさんあります。
その様なところでは、「ココシリ」の様な現実が毎日続いています。。。
この映画がきっかけとなり、少しずつ、人間が自然への尊重を取り戻せるといいですね~。
それでは~
投稿: Kitsutani Hernan | 2006年7月 4日 (火) 09時29分
Kitsutani Hernan さん
コメント&TBありがとうございます。
>人間が自然への尊重を取り戻せるといいですね~。
私も同感です。一度は解された自然を元に戻すことは簡単ではないですものね、あとで気がついたら取り返しのつかないことになってしまいますよね。
自然への畏敬の念を忘れないで暮らしたいと思います。
投稿: betty | 2006年7月 4日 (火) 10時15分
>そこまで彼らを駆り立てるのは、その地、その民族に息づく祖先の思いであり、彼ら固有の死生観であり自然観・・・。
まったく同感です。
それらを台無しにされないように、命をかけて頑張っている「闘い方」に、心を打たれますね。
コメントに感謝!
投稿: マダムクニコ | 2006年7月 6日 (木) 09時26分
マダムクニコさん
>それらを台無しにされないように、命をかけて頑張っている「闘い方」に、心を打たれますね。<
あの「闘い方」に、心だけでなくなんというか・・身心の奥底を揺すぶられてしまいました。
上手いこと言えないんですけど、体の中のというか、細胞レベルで眠っているなにかを揺すぶられた感じでした。
すっごく感動しました。
投稿: betty | 2006年7月 6日 (木) 13時39分
bettyさん、はじめまして。TB有難うございました。リータイ、男でもほれてしまう格好良さでした。日本にいたのでは、感じられませんが、自然の厳しさ、奥深さがひしひしと感じられ、今までに見たことがない感動の人間ドラマでありました。
投稿: キュブ零 | 2006年7月21日 (金) 20時00分
キュブ零さん
こちらこそTBありがとうございます。
>リータイ、男でもほれてしまう格好良さでした。<
まったくもって、かっこよかったですね~~。ほれぼれです。
>今までに見たことがない感動の人間ドラマでありました。<
監督もすごいですよねえ~。
そこで監督の前作「ミッシングガン」が気になりついにDVDを買ってしまいました。
忙しくて出だししか見れてませんが、いままだの中国映画のイメージを超えるスタイリッシュさにびっくりしたところです。
才能豊かな監督なんでしょうねえ~。
投稿: betty | 2006年7月23日 (日) 00時12分