雪に願うこと
4つのうちのひとつは観客賞。
観客が選んでくれた面白いというお墨付き、これは嬉しいね。
日本映画「雪に願うこと」。
北海道は帯広が舞台。
北海道人の私ですが、身贔屓抜き、掛け値なしで言い切っちゃおう
日本映画の名作がまた誕生しました~、と。
北海道遺産に指定されてるものに【轢馬】(ばんば)というのがあります。
重い鉄のソリを轢いた馬の競争です。
でもサラブレッドたちの競馬とはぜんぜんちがいます。
体も脚も太くてがっちりした農耕馬たちが鉄のソリを轢いて、足元が埋まってしまう土でできたコース(勾配のきつい坂もあり)で競争するんです。
【ばんえい競馬】っていうんです。
この映画「雪に願うこと」は、その轢馬を、冬の帯広を舞台に美しく雄大な十勝の自然のなかに映し出し、まるで一編の抒情詩のよう。
でもね。厳しいの。
年間賞金額が最低100万に届かない轢馬はどうなるか?
阿蘇に送られて馬刺しになるんだって(涙目)
そんな轢馬に人生を重ね合わせたみごとな物語です。
轢馬の調教師の兄(佐藤浩市)のもとに、東京で成功していたはずの弟(伊勢谷友介)がやってくる。
弟は起業して若くして社長になったものの、事業に失敗し、また結婚生活も破綻して、すべてを失って北海道に戻ってきたのです。
13年間も故郷を捨てていたのに、母を捨てていたのに・・・、と兄の心も複雑だわね。
でも、そこはやっぱり家族ですよ。
弟は言う。「兄貴はいいよな、迷いがなくて」。
兄が答える「なに言ってんだ、迷ってばっかりだよ」
びみょーな距離感に揺れながらも、男兄弟の間に温かな絆が息を吹き返していくんです。
弟はネットを活用した事業で一時は景気が良く、その頃は六本木でブイブイ遊んだりもしたらしいのね←ホリエモンみたいね~、でもさ、伊勢谷祐介の風貌はホリエモンとは対極で垢抜けまくり(^^)
そんな都会風吹かしてかっこつけしの弟が、かつては嫌っていた雪原のただなかの田舎に戻ってきて、人々の飾らない温もりに触れ、馬の鼓動に癒されていくのね。
兄役の佐藤浩市さん 男臭くて厳しい外見のなかに素朴な心根の優しさを感じさせる、と~~っても自然な演技で、今回、とくに良かった~。
今までのキャリアの頂点になる演技だったと思います~。ステージを1段階上げた今後がますます楽しみな佐藤浩市だわ。
ユーモアを織り交ぜながら演じる脇役さんたちもいい味を出しまくりでした。
草笛光子、山崎努、椎名拮平、でんでん、小泉今日子、吹石恵、山本康司・・
重い荷物を引く馬のひたむきな姿に人々の人生を重ね合わせた物語は、スクリーンの上では映像抒情詩となって心にしみました~。
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